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1本の歯を失うだけで、大きなトラブルを引き起こす
20代~30代で歯を失くし、位置や本数によっては、噛むときに支障がなく口を開けたときに見えないからと、そのままにしておく方がいます。
しかし、歯を失くして放置した場合、様々なリスクに繋がってしまいます。
歯は徐々に動きますので、失った歯の隣の歯はペースが空くことにより、徐々に倒れていきます。
更に、上下でかみ合っていた歯が無くなったことにより、噛み合っていた歯が伸びる可能性があります。
欠損箇所によっては、一箇所に負荷がかかってしまうこともあり、かみ合わせが少しずつズレます。
このかみ合わせのズレを放置し続けると、気付かないうちに、全体のかみ合わせが崩れる原因となり、歯列矯正など、欠損箇所以外の治療も必要になる可能性があります。
また、顎関節症を引き起こすこともあり、発症すると顎が痛くて口が開きにくいだけではなく、頭痛や肩こりなど、身体の不調の原因にもなりかねません。
欠損した歯の隣の歯の根本や空いたスペースの隙間には、歯垢や細菌が溜まりやすくなり、虫歯や歯周病の原因にもなってしまいます。
このように、たった1本でも歯の欠損を放置してしまうと、歯全体や、身体にまで影響が出てくることもあります。
失った歯を補うための治療方法として、「インプラント(人工的に作られた歯根の役割をする器具)」「ブリッジ(欠損箇所の両隣の歯を支えとして使い、補う)」「入れ歯」などがあります。
インプラントは外科的な治療のため、抵抗があるという方や持病の他、何らかの理由で施術できないという方もいます。
また、保険適用外のため1本あたりの相場は、約300,000~600,000円と高額になります。
失った歯の位置や本数によっては、ブリッジや部分入れ歯ができない場合もあります。例えば、歯が連なって欠損してしまった場合や欠損箇所の両隣の歯が健康でない場合などです。
上記のような理由で、歯を補うための治療方法に、総入れ歯を選択せざるを得ない患者さまも多くいます。
歯を失う原因と、これ以上歯を失くさないために
歯を失う原因
①虫歯
生まれつきの歯の質や歯並び、歯磨きなどのお手入れの仕方、しばらく歯科医院に行っていないなどで、虫歯が進行してしまうと、抜歯せざるを得ないケースがあります。
虫歯は進行することで、歯を削る範囲も広くなります。
削った部分の範囲により被せ物の治療をする範囲も異なり、神経まで到達していた場合は、抜歯となるケースも発生します。
虫歯のリスクを減らすためにも、自身での口腔内のお手入れをしっかりと行い、定期的な歯科検診を継続することが重要になります。
②歯周病
成人のほとんどが歯周病にかかっていると言われています。
40代以上で約8割が、歯周病と言われており、歯を失くす原因として一番多い原因です。
歯磨きなどのお手入れが不十分で、お口の中の衛生状態が悪いと、歯周病菌が増えます。その細菌が歯を支える骨が溶かしてしまい、少しずつ歯がグラついていきます。
その結果、歯が抜けてしまうのです。
また、就寝時の歯の食いしばりや歯ぎしりも、歯周病の進行に影響していると考えられています。
歯周病にかかると、歯周組織が元の状態に戻ることはなく、進行を遅らせる治療が必要になります。
まずは歯科医院へ行き、歯周病をコントロールする治療方法を歯科医師にご相談ください。
③事故
不慮の事故で歯を失うことは、防ぐことができません。
しかし、交通事故による被害で歯を失った場合には、相手側が加入している自賠責保険や任意保険で治療費が支払われるケースがあります。
その場合は、保険会社と歯科医師に必ず相談し、確認してから適応される治療方法を決めるようにしてください。
20代~30代の方におすすめの入れ歯
①保険適用の入れ歯
保険適用の入れ歯は治療期間が比較的短いため、歯を失った部分を比較的早く補い、見た目の改善や食事をすることができるようになります。
保険適用の入れ歯の場合、入れ歯のベース(土台)となる部分や人工歯の部分に使える素材は、プラスチック(レジン)です。
部分入れ歯の歯に引っかけるバネ(クラスプ)には金属のみが使われます。
保険適用の入れ歯の素材や作製の工程上、使い始めは違和感や歯ぐきの痛みが出る場合が多く、位置によってはバネの金属が目立ちやすいという難点があります。
入れ歯の完成までの期間は型どりをしてから、約2週間~1ヵ月ほどです。
費用は、部分入れ歯(1本歯を失くした状態から、1本のみ歯が残っている状態)の場合、欠損した歯の本数によって使う材料の量が変わりますが、相場は約1,200~14,000円ほどです。
総入れ歯(全ての歯が無い状態)の場合、上下どちらか一方のみの相場は、約3,000~15,000円が相場です。
保険適用の入れ歯は、費用面で負担が少ない入れ歯となります。
②テレスコープデンチャー
口を開けたときに見えやすい部位の一般的な入れ歯は、歯に引っかけるバネ(クラスプ)が目立ってしまいます。
その点、テレスコープデンチャーは、インプラントと同等の審美性や利便性に優れ、それでいて外科的な治療を行いません。
患者さまのお口の中にある時間が長く、食べ物をかむときの感覚が、まるで自分の歯のように感じるため、入れ歯という感覚を忘れてしまうような入れ歯といえます。
しっかりとメンテナンスを行っていくと、数十年使い続けることができます。
ただ、ほとんど歯が無い場合では作製することができません。
また、丁寧に時間をかけて作られる入れ歯のため、治療期間は長くかかります。
保険適用外(自由診療)のため、費用は約800,000~1,500,000円が相場と言われています。
③ノンクラスプデンチャー(部分入れ歯)
歯に引っかけるバネ(クラスプ)の無い入れ歯で、金属の部分を歯ぐきのような色合いの素材で作製されているため、審美性に優れた入れ歯といえます。
また、柔らかく、弾力性があるためフィット感もあり、壊れにくい素材で作られています。
入れ歯の完成までの期間は型どりをしてから、約2週間~1ヵ月と短期間で歯の欠損箇所を補うことができます。
ノンクラスプデンチャーは、保険適用外(自由診療)になり、費用は、残っている歯の本数によりますが、約75,000~500,000円となります。
④インプラントオーバーデンチャー(総入れ歯・ほとんど歯が無い場合)
インプラントを顎の骨に 4本~6本程埋めこみ、それを土台にして固定する入れ歯です。
入れ歯のイメージとして、「周りに気付かれる」「上手く発音ができない」「外れやすい」などがあると思います。
インプラントオーバーデンチャーは、このイメージ全てを払拭することができる入れ歯です。
また、自分の歯のように自然な感覚の入れ歯なので、ある程度の硬さの食べ物も食べることができ、食事に対するストレスもかかりません。
ただ、インプラントを埋めてから固定されるまで時間がかかるため、入れ歯完成まで約6ヵ月~1年かかります。
インプラントオーバーデンチャーには様々な種類があり、それぞれ費用も異なりますが保険適用外(自由診療)のため治療費は高額になります。
まとめ
20代~30代で歯を失い、治療方法に悩んでいる方のなかで入れ歯に抵抗がある方もいると思います。
しかし、歯科医療の発展により、入れ歯の種類は豊富にあります。
「入れ歯を付けていることを、周りの人から気付かれたくない」「自然で自分の歯のような入れ歯が欲しい」そんな風に思われて日々を過ごされている方は、お一人で悩まずに、歯科医師にご相談ください。
20代~30代は、プライベートも仕事も楽しみ、アクティブな時期であるといえます。
楽しい食事や会話、たくさんの笑顔を取り戻すためにも、一歩踏み出してみてください。