保険適用と保険適用外(自費)で入れ歯の価格が変わる
入れ歯には保険適用と保険適用外(自費)があります。
保険適用の入れ歯は、医療保険制度により使用材料などが決められているため、種類は少なく、価格は安くなります。
一方、自費診療となる保険適用外の入れ歯は、種類も価格も様々あります。歯科医療と技術の発展により、患者さまに合う入れ歯をお選びいただけます。
周りの人に入れ歯だと気付かれないほど審美性の高いものや、まるで自分の歯のように食べ物を噛むことができ、会話がしやすい機能性の高いもの、歯科医院によっては複数の治療方法を組み合わせて作製される入れ歯もあります。
ただ、保険適用外(自費)の入れ歯には制限が無いため、歯科医院や入れ歯の種類、患者さまのお口の中の状態により価格が大きく変わり、高額なのが特徴です。
また、患者さまの口腔内の状態によって、作製できるものと、できないものがあります。
入れ歯をご検討中の方は、歯科医師による口腔内の診断を受け、どのような入れ歯を希望するかを伝えて相談してみると良いと思います。
部分入れ歯か総入れ歯かで入れ歯の価格が変わる
歯の本数によって、部分入れ歯か総入れ歯のどちらかを作製します。
部分入れ歯は1本歯を失った状態から1本だけ歯が残っている状態の入れ歯で、総入れ歯は上か下どちらか一方の歯が全て無い状態の入れ歯です。どちらの入れ歯を作るか、部分入れ歯の場合は歯の本数によっても、価格が変わります。保険適用の入れ歯の場合は、全ての歯科医院で治療費が一律となっています。
また、部分入れ歯と総入れ歯の金額相場が、あまり変わりません。
保険適用外(自費)の入れ歯の場合は、保険適用の入れ歯と比べて、その差が大きくなります。
保険適用の入れ歯、審美性や機能性の高い入れ歯と価格
低価格重視の方は保険適用の入れ歯がおすすめです。
保険適用の入れ歯には、様々なルールがあります。
まず、入れ歯作製の工程が決められていて、その工程に回数をかけることができません。使われる材料にも決まりがあります。
入れ歯のベース(土台)となる部分や人工歯に使用する素材はプラスチック(レジン)で、部分入れ歯の歯に引っかけるバネ(クラスプ)部分には、金属が使用されます。保険適用の入れ歯は短期間(約2週間~1ヵ月)で作製され、歯として必要な最低限の機能(歯を失った箇所を埋める、食べ物を噛む)のみが備わっている入れ歯となります。そのため、審美性、機能性があまり良くありません。
また、歯ぐきなどに痛みも出やすいため、何度か通院し、調整しながら患者さまのお口に合うように仕上げていくというイメージの入れ歯となります。プラスチック(レジン)のため劣化しやすく、約1~2年で作り替えが必要です。素材の性質上、壊れやすく修理しやすいことが特徴です。
また保険適用の入れ歯には、6ヵ月間再作製ができないという縛りがあります。基本的にこの期間内では、他の歯科医院へ行ったとしても作り直すことができません。
割れてしまうと修理をしても、直りにくくなります。紛失や取り扱いには、十分注意が必要です。
保険適用の場合、医療費の自己負担割合に応じ、価格も変わります。
1割負担での部分入れ歯の価格相場は約1,200~2,500円で、総入れ歯では約3,000円となります。
3割負担での部分入れ歯の価格相場は約3,000~14,000円で、総入れ歯では約15,000円となります。
審美性や機能性の高い入れ歯をご希望の場合は、保険適用外(自費)となります。審美性を重視したい患者さまの多くは、部分入れ歯の歯に引っかけるバネ(クラスプ)部分が金属で、口を開けたときに目立ってしまうことを懸念されていると思います。そのバネが目立たない入れ歯をご紹介します。
ノンクラスプデンチャー
金属の歯に引っかけるバネ(クラスプ)を使用せず、歯ぐきに似た色の素材で固定し、作製される入れ歯です。素材によっては柔らかく、しなる程の弾力があり、壊れにくいという特徴があります。
装着時のフィット感もあり、心地良い入れ歯となります。
ノンクラスプデンチャーは、最新のものや他の素材を組み合わせるなど、歯科医院によって数種類ある場合があります。
また、金属を使わないため、金属アレルギーを引き起こすこともありません。
価格相場は、残っている歯の本数や種類、歯科医院によっても大きく変わり、約75,000~500,000円となります。
デンタルローン・医療費控除
保険適用外(自費)の入れ歯を作製される場合、高額となるため、デンタルローンが使える場合や医療費控除の対象となることがあります。
デンタルローン
デンタルローンとは、歯科医院で保険適用外(自費)診療を受ける場合に利用可能な支払い方法の一つです。
収入が安定している方であれば審査に通る可能性が高いローンで、申請は簡単です。
デンタルローンは、クレジットカードやフリーローンよりも金利が安いというメリットがあります。
月々のお支払いを抑えることができるため、ご希望の入れ歯ですぐに治療を受けたいけれど高額で一括支払いができないとお悩みの方に適しているといえます。
歯科医院や治療内容により、デンタルローンが使えない場合もあるため、事前にお問い合わせください。
医療費控除
入れ歯もインプラント治療などのように、医療費控除の対象になる場合があります。
事前に歯科医師にご希望の入れ歯が医療費控除の対象になるかご確認ください。
対象となる場合は、通院にかかった交通費も控除されます。
領収書などと併せ、確定申告時に申請してください。
まとめ
保険適用と保険適用外(自費)、部分入れ歯か総入れ歯か、そして種類によっても価格が変わる入れ歯治療。全ての入れ歯や治療方法にはメリット、デメリットがあります。
しかし、入れ歯は生活する上で、体の一部となるものです。
口の中に痛みや違和感もなく好きな物を食べられるということは、健康に欠かせないことです。
周りの人に入れ歯だと気付かれる心配をすることなく、たくさん笑って会話ができるということは、楽しい毎日を送ることに繋がります。
患者さまが何を重視するか、口腔内はご希望の入れ歯が適応する状態か、デメリットも含め歯科医師にご相談の上、合う入れ歯を見つけてください。
ご希望の入れ歯が保険適用外(自費)で金銭的にお悩みの方は、デンタルローンのご検討や医療費控除も視野に入れてスタッフにご相談ください。