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インプラント治療で後悔しない
ために
インプラントは歯を失った方に対し、自分の歯があった時と同じように噛むことができ、見た目もきれいにすることができる非常に有効な治療法です。
その一方で、期待通りの結果を得られず、インプラント治療なんてやらなければよかったと後悔した経験がある方も少なからずいらっしゃるのは事実です。
ここでは、インプラントをこれからご検討されている方が後悔することのないようにインプラントのメリット・デメリット、費用、一般的に失敗といわれるケースなどについてご紹介させていただきます。
インプラントのメリット
- 固定式で安定性がよく、天然の歯と同じ感覚でしっかり噛める(天然の歯の約90%)
- 取り外す必要がない
- 周りの歯に負担をかけず、残っている健康な歯の寿命を延ばすことができる
- 隣り合う歯を削ることなく治療できる
- 白いかぶせ物を入れることで見た目もきれいにできる
- インプラントを機能させる事で顎の骨が痩せるのを抑える事が出来る
インプラントのデメリット
- 外科的な処置が必要になる
- インプラント手術をしてから、顎の骨と結合するまで、約3~6ヶ月の期間をおく必要があり、治療期間が長くなってしまう
- 一部の持病をお持ちの場合は、病状によってはインプラント治療が出来ないことが
ある - 保険が適用されず、費用が高い
インプラント 費用
インプラント治療は保険が効かない診療で、歯科医院ごとに自由に価格設定ができるため費用にばらつきがあります。
一般的な相場は1本30~50万円前後と言われています。
但し、ネットで検索すると中にはもっと格安で行っている歯科医院もありますし、ケースによっては手術に付随したオプション費用がかかることもあります。
使用しているメーカーの違い、費用の内訳などをしっかり理解した上で治療を受ける歯科医院を選択するのがあとあと費用面で後悔しないためにも大事だと思います。
インプラント以外の選択肢
歯を失った時の治療法はインプラント以外に入れ歯・ブリッジという方法があります。
インプラントで得られるメリットもたくさんありますが、外科的な処置が必要な点、保険がきかない点、治療期間が長くなる点など、すべての面で優れているわけではありません。また、ケースによってはインプラントで対応できないこともあります。
それぞれの治療法の違いを知った上で担当の先生と相談し、ご自身のお口の中に合った治療を選択するのが良いでしょう。
インプラントの失敗ケースと
その対策
インプラント治療で後悔しないためにも、インプラントではどういう失敗が多いのかを知っておくことをオススメします。
ここでは、大きく3つに分けてインプラントの失敗とその対策について説明していきます。
手術前の失敗・対策①
インプラント治療を行う前にお口の中がどのような状態かCTと呼ばれる3次元画像やお口の中の模型を取り、精密な検査を行う必要があります。
そして、残っているかみ合わせの状態、インプラントがどこに何本必要か、骨の厚み、神経や副鼻腔の位置などを正確に把握し、インプラント治療の計画を立てていきます。
こうした手術前の診断や治療計画が不十分だとこの後の失敗に大きく関わってきます。
普段の治療からもきちんとした説明と検査を行ってくれて、信頼して任せることができる歯科医院を選ぶことが失敗を防ぐ上では重要かと思います。
手術時の失敗・対策②
インプラント手術時の失敗として多いのは、下記の2点が挙げられます。
・インプラントを埋め込む深さや方向が適切でない
・ドリルやインプラント体により、神経や血管や組織を
傷つけてしまう
例えば、下の奥歯のインプラント手術では骨の中を通っている下歯槽神経を傷つけてしまうと、唇や舌の痺れや麻痺などを起こすことがあります。こうした失敗や事故を未然に防ぐためにも、事前の診査と準備が大事になります。
また、近年ではPC上でインプラントの方向や深さや神経との距離感などを綿密に計画し、 PCで設計した通りにインプラントを埋入することができる「サージカルガイド」を使用することがスタンダードになってきています。こうした装置を使用することで、より精密に安全にインプラント手術を行うことができるようになります。
手術後の失敗・対策③
インプラント手術後の失敗として多いのは、下記の3点が挙げられます。
1. インプラントと骨が結合していない
2. メンテナンス不足による
インプラント周囲炎
3. 歯ぎしり・食いしばりによる
上部構造の破折、脱落
1. インプラントと骨が結合していない
インプラントを埋入した後、インプラントと骨の結合(オッセオインテグレーション)が得られるのを待ちます。通常3~6ヶ月程度待つことが多いです。
しかし、ごく稀にインプラントと骨がくっつかないケースがあります。
インテグレーションされていないインプラントは脱落してきます。
結合していない原因としては幾つか考えられますが、多くはドリル時の熱により骨が火傷した状態となり結合が妨げられたためといわれています。
対策としては、冷却のための十分な注水と慎重なドリル操作が求めれます。
2. メンテナンス不足による
インプラント周囲炎
インプラント自体は虫歯になりませんが、しっかり磨かないと天然の歯と同じようにインプラントの周りに炎症(インプラント周囲炎)が起こります。
インプラント周囲炎が重度に進行するとインプラントを支える骨が溶けて、インプラントが抜け落ちてしまう恐れもあります。
インプラントを健康な状態で長く維持させるためには、歯科医院での3〜6か月毎の定期検診と適切なセルフケアが必要です。
3. 歯ぎしり・食いしばりによる
上部構造の破折、脱落
咬む力がインプラントに強くかかるとインプラントの上部構造が割れたり、内部のネジが緩んでしまったりする原因となります。噛み合わせに関しても定期的にチェックする必要があります。
また、夜間の歯ぎしり食いしばりが強い方は就寝時のマウスピースの使用を推奨しております。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はインプラント治療で後悔しないために知っておいていただきたいことをまとめました。
インプラント治療で後悔しないために、担当の先生とよく相談し、しっかりと説明を受け納得したうえで治療を受けることが大切ですね。
後戻りができない治療だけに不安点を極力無くした状態でお選びなさってください。