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虫歯の治療について
虫歯の治療って痛いイメージがありますよね。
進行してしまった虫歯は、なるべく早く治療を行うことが必要です。
とは言え痛みや音のイメージから、治療に行く決心がつかない方もいらっしゃるのではないでしょうか。虫歯は気が付いたら時間が経ってしまい、痛みが我慢できなくなってから治療を受ける方も少なくありません。
けれども進行してしまった虫歯の治療は、初期のそれと比べてもやはり簡単に治るものではありません。
「気が付いたらなるべく早く治療を受ける」が鉄則です。
歯の構造を知ろう
歯ぐきから頭が見えている部分を歯冠、その下の部分を歯根といいます。
歯冠の一番外側の部分は「エナメル質」と呼ばれ、体の中で最も硬い部分と言われています。しかし、そんな硬いエナメル質も酸によって溶けてしまう弱点があります。
そして、このエナメル質の下にあるのが「象牙質」と呼ばれる部分です。
象牙質は柔らかい組織で虫歯がそこまで達してしまうと一気に進行します。象牙質に刺激が加わると痛みが生じるようになります。
さらに歯の中心部には「歯髄」と呼ばれる歯の神経が通っています。歯髄まで虫歯が到達すると強い痛みを感じるようになります。
虫歯の進行状況と治療法
虫歯は進行状況によって、C0〜C4の5段階に分けられ、虫歯の治療はその進行具合によってそれぞれ変わってきます。
Cは「Caries=虫歯」の頭文字を表しています。
C0〜C4のそれぞれの特徴と治療方法は以下のとおりです。
進行が進むとより治療にかかる時間と費用が増えますので、違和感を感じたら早めに歯科医院で診療を受けましょう。
虫歯の進行度について動画で
簡単説明
C0:
初期
(歯の白濁及び茶褐色への変色)
COは「要注意の歯」のことです。
歯の表面の白濁や着色はありますが、まだ虫歯にはなっておらず、放っておくと虫歯になる可能性のある状態です。
フッ素塗布や歯磨きをきちんと行うことで、自然治癒したり、進行を食い止めたりすることができます。
C1:軽度
(エナメル質から
象牙質に侵食した虫歯)
歯の表面にある「エナメル質」に限局したむし歯となります。
痛みやしみるなどの自覚症状はありません。
進行具合によっては、むし歯に侵された部分を削る必要があります。そこに、コンポジットレジンというプラスチックの歯科材料を詰める治療をすることが多いです。
C2:中度
(エナメル質から
象牙質に侵食した虫歯)
エナメル質の下にある「象牙質」まで虫歯が進行した状態です。歯の痛みやしみを感じるようになります。
そのままにしていると、むし歯が進行し、歯の神経まで及ぶ可能性があるので、これ以上進めないことが大事です。コンポジットレジンを詰めたり、奥歯や削る範囲が大きい場合には、型を取り、銀歯やセラミックのつめ物(インレー)で修復します。
C3:重度
(歯の神経に到達した虫歯)
象牙質の奥にある「歯の神経」と呼ばれる神経にまで、虫歯が達した状態です。
ここまで進行すると、何もしなくてもズキズキと痛む症状が出ることが多いです。
治療としては、歯の根っこの中を通っている神経を取り除き、きれいにする必要があります(根管治療)
根管治療が済んだ歯は、最終的にかぶせ物(クラウン)が入る形となります。
C4:
末期
(歯根だけが残っている虫歯)
歯全体が虫歯に侵されてしまい、根っこだけが残された状態です。
ここまで虫歯が進行してしまうと、抜歯せざるを得ないケースがほとんどになります。
抜歯後は、入れ歯かブリッジ、もしくはインプラントをお選びいただき、失った歯の機能の回復を図ります。それぞれのメリット・デメリットを説明した上で、患者さまと一緒に治療法を決めていきます。
虫歯の進行を防ぐために
できること
1. 正しいブラッシングを行う
虫歯の原因であるプラークを日々のブラッシングでしっかりと落とすことが、虫歯の進行を防ぐ最大のポイントになります。
「正しいブラッシングが出来ているかな?」とご不安な方は、一度歯科医院でブラッシング指導を受けることをオススメします。
2. フッ素を塗布する
フッ素には再石灰化を促進し、歯を強化する作用があります。初期虫歯ではフッ素塗布のみで、歯を削ることなく虫歯の治療を終えることができます。
フッ素入りの歯磨き粉や洗口液を普段のお口のケアで取り入れるのが良いでしょう。
また、歯科医院では高濃度のフッ素を塗布することができ、さらに効果を持続させることができます。
3. 糖分を控える
プラーク中の細菌は「糖分」をエサにして酸を出し、それにより歯が溶かされ虫歯となります。 糖分の摂取を控えることで、お口の中の細菌の活動を抑制することができ、虫歯の進行を防ぐことにもつながります。
また、キシリトールなど砂糖を含まない代用甘味料をうまく利用するのもいいでしょう。
4. 食習慣を改める・間食回数を
減らす
お口の中は普段は中性に保たれていますが、食事をすると急激に酸性に傾きます。
この状態が続くと、どんどん虫歯になってしまうため、お口の中を中性に保とうと唾液が働きかけます。
しかし、だらだらと長く食事をしたり、間食の回数が多かったりするとそれだけお口の中は酸性となる時間が長くなり、中性化できず虫歯が進行してしまいます。
食習慣の見直し・間食の管理も虫歯の進行を防ぐ上でとても重要となります。
5. 定期検診を受診する
虫歯の進行を食い止める、新しい虫歯をつくらないためにも定期検診の受診は非常に重要です。
虫歯の治療料金(税込)
虫歯は進行度合いによって治療内容が変わり料金も変わってきます。
初期の虫歯治療C1 (コンポジットレジン) |
約1,500〜2,000円(保険) |
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中等度の虫歯治療C2 (インレー) |
2,000〜3,000円 (保険適応)、 44,000〜55,000円 (保険適応外) |
重度の虫歯治療 C3 (クラウン) |
約3,000〜8,000円 (保険適応)、 55,000〜165,000円 (保険適応外) |
歯を抜いた場合の治療C4 (インプラント・ブリッジ・入れ歯) |
※現在の治療費と異なる場合がございます。
最新の治療費は料金表をご確認ください。
当院の虫歯治療の流れ
虫歯を削った後、一時的に歯の神経が過敏な状態になり、痛みを感じやすくなることがあります。
歯の神経が落ち着くまでにはある程度時間がかかります。
一般的には1週間程度で落ち着くことがほとんどですが、個人差や虫歯の大きさによってはいつまでも痛みが引かないこともあります。
特に歯の神経に近いところまで虫歯が進行していた場合には痛みが出やすいです。激しい痛みや症状が長引く場合には歯の神経の治療に移行することもあります。
術後の痛み防止のために、必要に応じて鎮痛剤をお渡しすることもあります。