質問
親知らずが上下4本全てに生えています。少しだけ頭が出ているような状態なのですが、下の歯2本が斜めに生えてきているようで少し痛いです。
早く抜歯をしたい気持ちはあるのですが、歯医者が苦手で、大学病院などの大きな病院で全身麻酔?
でやってもらおうと考えています。
ただ大学病院にかかるには紹介状が必要と聞きました。
紹介状をもらいたいのでいつも通っている歯医者に行く予定ですが「うちで手術しますか?」と言われてしまうか不安です。
事情を話したら検査だけしてもらうこともできるのでしょうか。何か良い方法はありませんか?
回答
まず、親知らずの抜歯だからといって必ずしも大学病院などの専門機関を受診しなければならないというわけではありません。えーっ!!親知らずって普通の歯医者さんでも抜けるのー??と思われるかもしれません。
ケースによっては、一般の歯科医院でも十分に安全に抜くことができるんですね。
もちろん、それぞれの歯科医院の先生の得意・不得意や技量・経験値にもよるところもあります。
では、どういった時に大学病院などを紹介することが多いのか。実際に、当院で親知らずの紹介をすることが多い3つのパターンについて紹介させていただきますね。
1. 神経に接している親知らず
下あごの骨の中には下歯槽神経という太い神経が通っています。この神経を傷つけてしまうと術後に唇や舌の痺れや麻痺などを引き起こしてしまいます。こうした神経と近接しているケースでは外科手技に熟達した専門の先生に抜歯をご依頼することが多いです。
2. 重度の全身疾患をお持ちの方
重度の全身疾患(糖尿病・骨粗粗鬆・心筋梗塞・脳梗塞など)をお持ちの方は、歯を抜いた後の傷の治り具合や骨への影響や血が止まりづらいなどの問題が生じる可能性が高いです。それゆえ、全身管理ができる専門機関での受診をお勧めすることが多いです。
3. 歯科恐怖症の方
極度な歯科恐怖症の方は、全身麻酔下や静脈内鎮静法(詳しくはこちら。インプラントの治療費用のページ)をしないと歯科治療を安全に施すことができないため、麻酔科の先生と連携が取れる専門機関を紹介させていただくことが多いです。
全身麻酔下での親知らず抜歯について
ご質問でもありました全身麻酔下もしくは静脈内鎮静法での親知らずの抜歯についてですが、大学病院ですと入院が必要となるケースがほとんどかと思います。
入院する期間は、一般的に1泊2日程度です。眠っている間に終わらせたい・なるべく本数を一気に抜きたい方などは全身麻酔下で行うのも検討してもよろしいかと思います。
ただし、全身麻酔の費用と入院費用がかかるので、通院での抜歯に比べて費用は高額となります。
紹介状について
大学病院などの専門機関は、かかりつけ歯科医院からの紹介状がないと治療費以外の費用が発生することがあったり、紹介状がないと診察を受けれないこともありますので、紹介状を作成してもらってから受診することをお勧めします。
また、かかりつけの歯科医院で十分に対応できる程度の親知らずの生え方であったり、静脈内鎮静下での抜歯が可能であるようなら、そちらの歯科医院で抜歯の施術を行うのも検討してもいいかと思います。
いずれにしても、レントゲンなどの詳しい検査をしていただくことをお勧めします。
また、患者様からの大学病院の専門機関で抜歯したいというご要望があれば、検査をした上で紹介状を作成することはできますので、ご安心ください。
まとめ
まずはかかりつけの歯科医院を受診し、親知らずの生え方や難易度などをお聞きした上で、大学病院を紹介していただくかどうかを検討してみてはいかがでしょうか。
大学病院によっては土日が空いてなかったり、予約がなかなか取れなかったりすることがありますので、紹介先を決める際にその辺りも参考にしていただければと思います。