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ナイトガードとは
皆さんはナイトガードというものを聞いたことがありますか??
ナイトガードとは就寝中の歯ぎしりによる歯の磨り減りを予防するため、装着するマウスピースのことをいいます。
就寝中は普段起きて日常で生活してる状態に比べ、食いしばる力が何倍もかかると言われています。それにより歯が磨り減ったり、顎の痛みが出たりする方が多くいます。
そのため、歯ぎしりは悪いものと考えている方が多いのですが、実は必ずしも悪いものではないのです。というのも歯ぎしりの原因は諸説あるもののストレスが最も大きい要因であると言われており、歯ぎしりにはそのストレスを発散する効果があるためです。
ですが歯ぎしりにより、歯が壊れていっては困るので、ここではナイトガードをどのようなときに使うか、その使い方などについても説明していきたいと思います。
ナイトガードが必要な人はどんな人?
□ 夜間の歯ぎしりの自覚がある、もしくはよく指摘される
□ 顎に違和感、痛みがある、顎がカクカクする、朝起きたときに顎や歯に痛みが出やすい
□ 歯の根っこに近い部分が楔のように削れている、しみる症状がある
□ 歯の噛む面が磨り減ってきた、ヒビが入っているところがあったり、歯が割れたことがある
□ 歯医者でかみ合わせに問題があると指摘されたことがあるが矯正は考えていない
□ 詰め物がよく外れたり、壊れたりすることが多い
上記のような方はナイトガードを使ってみる価値があると思われます。
ナイトガードを用いることでこれらの症状が改善される可能性があるためです。
また歯や顎を歯ぎしりから守るだけではなく、歯の周りの組織を守る効果もあります。
というのも歯周病(歯の周りの骨が溶け、歯がグラグラになる病気)は歯ぎしりなどかみ合わせの問題でより悪化することが知られているためです。
ただし、とは言っても必ずよくなるものではなく、逆に違和感が生じたり、つけていることでストレスが増すような方もいます。
そのため、ただ作って使えばいいのではなく、使用して症状がどう改善したか、担当の歯科医に定期的に診察・調整してもらい、適切なナイトガードを使って頂くことが重要です。
もしどうしても合わない場合は使用を中止することも考えられます。
費用
保険内であれば約5,000円、保険適用外だと約15,000円となります。
種類
基本的にナイトガードにはハードタイプ、ソフトタイプの2種類があります。
ハードタイプはレジンと呼ばれるプラスチックのような材料でできており、硬いため違和感が生じやすいのですが、顎関節や歯ぎしりの改善の効果は高いと言われています。
ソフトタイプはビニール樹脂の柔らかい材料になっており、違和感は少ないものの、効果はハードタイプより低いと言われています。
また装置の厚さに関しても1.5mm.2mmと様々な厚さがあります。
そのため、現在の症状の具合などから選択し、使って頂く必要があります。
使えなければ全く意味がなくなってしまうため、まずはソフトタイプを使って頂き、症状の改善があまり見込めなければ徐々にハードタイプや厚いものに変えて頂くのが一番無難かもしれません。
使用方法
就寝前につけて頂き、朝外すのが基本的な使い方になりますが、例えば仕事中にストレスを感じ、食いしばることが多い方などには食事中以外出来るだけつけて頂いた方がいいです。
いつ、食いしばったり、歯ぎしりすることが多いか少し注意して、担当医に報告するのがよいでしょう。
使用時以外はハードタイプは乾燥により、変形する可能性があるため、プラスチック容器などに綺麗な水を入れ、水中で保管してください。
ソフトタイプは同様にプラスチック容器などに入れるのですが、こちらは乾燥により劣化しないので水に浸しておく必要はありませんのでご注意ください。
洗浄方法は柔らかいタイプの歯ブラシで水をつけて使用後に磨いてください。
また歯磨き粉などをつけると削れてしまうので必ず水のみで行ってください。
症例 1
主訴 | 寝る時用のマウスピースを作りたい |
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年齢・ 性別 |
40代・女性 |
治療内容 | マウスピースを作成するための型取りをして1週間後に完成品をお渡し |
治療期間 | 1週間 |
治療費用 | マウスピース(ハードタイプ):約5000円(保険診療 3割負担) (2023年1月現在) |
リスク・ 副作用 |
・使い始めは違和感があり、アゴの痛みや口の渇きなどが生じる場合があります。 ・プラスチックの材料なため、変形する可能性があります。 ・ナイトガードを入ることによって、歯ぎしり、食いしばりが強くなってしまう方もいます。 |
治療方針 | 歯並びに合わせて作製するオーダーメイドな装置です。費用は約5,000円ほどかかり、2回来院が必要です。
1回目は上の歯の型取りを行ないます。 お手入れは、朝起きたら歯に当たる内側は歯ブラシで優しく磨き、外側は流水下で流してください。お湯で流してしまうと変形するので注意してください。 |
特記事項 | 就寝時に装着することで、歯ぎしり・食いしばりによって歯が削れることの防止、顎関節への負担を軽減できる装置です。 残念ながらナイトガードを使用することで、歯ぎしり食いしばりを改善できるわけではありません。 |
口腔内写真①
口腔内写真②
作成したマウスピース
- 備考・担当医師所見
- 以前からマウスピースを使用している方のため、ハードタイプのマウスピースを作製しました。
今後も噛み合わせの状態、マウスピースの確認を行いながら経過観察していきます。
症例 2
主訴 | マウスピースを作りたい。 |
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年齢・ 性別 |
30代・男性 |
治療内容 | 上の歯に虫歯がないことを確認し、型取りを行った。 二週間後に噛み合わせを調整してお渡し。 |
治療期間 | 2週間 |
治療費用 | 約5,000円(保険診療3割負担) (2022年7月現在) |
リスク・ 副作用 |
・使い始めは違和感があり、アゴの痛みや口の渇きなどが生じる場合があります。 ・素材がゴムのため、熱で変形する可能性があります。 ・ナイトガードを装着することにより、歯ぎしり、食いしばりが強くなる方もいます。 ・歯ぎしり、食いしばりが強い方はマウスピースのハードがおすすめです。ソフトは耐久性が弱いため、穴が空きやすいです。 |
治療方針 | 歯並びに合わせて作製するオーダーメイドです。費用は約5,000円ほどかかり、2回来院が必要です。 ハードタイプと比べると違和感が少ないので、マウスピースを初めて作製する場合に選択される方が多いです。歯ぎしり、食いしばりが非常に強い方はハードタイプを提案することもあります。 1回目は上の歯の型取りを行なっていきます。 2週間ほどお時間を頂き、ナイトガードを作製していきます。 2回目の来院で実際に患者様の歯に装着した上で、噛み合わせをみて調整を施します。 一度の調整で完了する物ではありませんので、違和感がありましたら来院時に調整致します。 お手入れは、朝起きたら歯に当たる内側は歯ブラシで優しく磨き、外側は流水下で流してください。お湯で流してしまうと変形するので注意してください。一週間に一回程度、洗浄剤を用いますと、より清潔にお使い頂けますのでオススメです。 |
特記事項 | 就寝時に装着することで、歯ぎしり・食いしばりにより歯が削れることの防止、顎関節への負担を軽減できる装置です。 |
担当者所見 | マウスピースを作製するのが初めてで装着できるか不安とのことで、違和感が少ないソフトタイプから始めることにしました。 |
口腔内写真①
口腔内写真②
作製したマウスピース
作製したマウスピース
症例 3
主訴 | インプラント治療後のマウスピース作成 |
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年齢・ 性別 |
30代・男性 |
治療内容 | 右上2番と左上2番へインプラントを埋入し、上部構造を入れた後に型どりを行った。約2週間後にハードタイプのマウスピースのかみ合わせ調整を行った後、お渡し。 |
治療期間 | 2週間 |
治療費用 | 保険適用3割負担 約5,000円 (2024年1月現在) |
リスク・ 副作用 |
使い始めは違和感があり、アゴの痛みや口の渇きなどが生じる場合があります。 マウスピースを装着することにより、歯ぎしり、食いしばりが強くなる方もいます。残念ながらマウスピースを使用することで、歯ぎしり食いしばりを改善できるわけではありません。 プラスチックの材料なため、変形する可能性があります。 |
治療方針 | 歯並びに合わせて作成するオーダーメイドとなるため、上の歯並びの型どりで1回来院。1-2週間ほど時間を頂きハードタイプのマウスピースを作成します。 2回目の来院で実際に装着してもらった上でかみ合わせ等の調整を行います。 |
特記事項 | インプラントには天然歯に存在する歯根膜という骨との間のクッションがありません。そのため歯ぎしりや食いしばりなどにより強い力が加わると、インプラント周囲の骨にダメージを与えてしまい、ひどい場合は骨の吸収が進みインプラントが抜け落ちてしまう事があります。 |
担当者所見 | インプラントが長持ちするように、マウスピースの使用を指示しました。 |
口腔内写真①
口腔内写真②
作製したマウスピース
症例 4
主訴 | 左側上下が冷たいものでしみる。 左右上下臼歯部にくさび状欠損あり。 |
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年齢・ 性別 |
30代・男性 |
治療内容 | マウスピースのハードタイプを作製し歯ぎしりによる負担を軽減させる。 |
治療期間 | 2週間(2回) |
治療費用 | 約5,000円 (2024年1月現在) |
リスク・ 副作用 |
使い始めは違和感があり、アゴの痛みや口の渇きなどが生じる場合があります。 マウスピースを装着することにより、歯ぎしり、食いしばりが強くなる方もいます。 プラスチックの材料なため、変形する可能性があります。 就寝時に装着することで、歯ぎしり・食いしばりによって歯が削れることの防止、顎関節への負担を軽減できる装置です。 残念ながらナイトガードを使用することで、歯ぎしり食いしばりを改善できるわけではありません。 |
治療方針 | 歯並びに合わせて作製するオーダーメイドとなるため、上の歯並びの型どりで1回来院。 1-2週間ほど時間を頂きハードタイプのマウスピースを作製します。 2回目の来院で実際に装着してもらった上でかみ合わせ等の調整を行います。 |
特記事項 | 洗浄方法は柔らかいタイプの歯ブラシで水をつけて使用後に磨いてください。 また歯磨き粉などをつけると削れてしまうため必ず水のみで行ってください。 |
担当者所見 | 食いしばりや歯ぎしりによって、歯に横揺れが生じ、歯の歯ぐき側の部分に小さい欠け(くさび状欠損)が生じていた。 歯にかかる負担を軽減させるためマウスピースの使用を指示。 |
口腔内写真①
口腔内写真②
作製したマウスピース
まとめ
長くなりましたが、ご自身に合ったナイトガードで歯を守ることの重要性について説明させて頂きました。この記事が少しでも見て頂いた方の参考になれば幸いです。
健康は口から訪れます。これを機によりご自身の歯や口の中に興味を持って頂ければと思います。ありがとうございました。