ブラキシズムとはいわゆる「歯ぎしり」を広い意味で、また学問的に正確にあらわすときの用語です。
歯ぎしりというと、歯をギシギシとこすり合せることを思い浮かべますが、ブラキシズムは「ものを噛む筋肉の異常な運動」と定義されます。
つまり「歯ぎしり」という言葉だけでは抜け落ちてしまいそうな、次のような事柄も含まれますよといっているのです。
- ブラキシズムは無意識に咀嚼筋(そしゃくきん)を動かす癖です。
- ブラキシズムは寝ているときにも、起きているときにも生じます。
- 音をたてる歯ぎしり(グラインディング)だけでなく、食いしばる(クレンチング)ことやカチカチいわせる(タッピング)こともブラキシズムです。
さらにブラキシズムという用語で、これは病気のひとつと考えましょうということも表しています。
ものを噛むための筋肉を食べるとき以外に動かしているのだから、ブラキシズムは異常行動の一種で、健康に悪い影響を与えることがあるということです。
ブラキシズムが重症化して長期間つづくと健康に次のような影響をおよぼします。
- 歯が欠ける、折れる、抜ける
- 歯周病が悪化する、歯の知覚過敏がおきる
- あごが痛い、口が開かない(顎関節症)
- 頭痛がする、首や肩がこる、腰痛になる
- めまいがする、耳鳴りがする
歯ぎしりと腰痛というとずいぶんな「遠距離交際」ですが、膝が痛くなることまであります。
歯をくいしばるという強い筋肉の緊張が全身に影響をおよぼすのです。
ブラキシズムのやっかいなところは、ほとんどの人が自覚していないということです。
音がするグラインディングはまだ家族が気づいてくれますが、食いしばるクレンチングはもっともダメージの大きいブラキシズムなのに本人も家族も気がつかないことが多いのです。
朝起きたときにあごが痛いとかだるいと感じたらぜひ当院のスタッフへご相談ください。