歯ぎしりについて
朝起きると、なんだか顎が痛かったり、虫歯でもないのに歯が痛んだり、
肩こりや頭痛がひどかったり・・・
もしかすると、睡眠時や無意識のうちに歯ぎしりをしているのが原因なのかもしれません。
歯ぎしり 原因
日本人のなんと約7割が歯ぎしりをしていると言われています。その中にはギリギリ音をさせるのもあれば、音のしない歯ぎしりもあります。
歯ぎしりの原因は、未だはっきりとは解明はされていませんが、最も有力とされているのがストレスです。
歯ぎしりがストレス発散のための行動とも考えられており、
ストレスの多い現代社会ならではの問題なのかもしれませんね。
歯ぎしりしやすい人
歯ぎしりとストレスは密に関係しています。ストレスを抱えやすいという点から、
歯ぎしりを起こしやすい人の特徴というのもあるようです。
①時間に追われている方
②競争心が強い方
③頑張り屋さん
④ストレスをうまく発散できない方
歯ぎしり 子供
大人だけでなく、子供も歯ぎしりをします。歯が生え始める生後6ヶ月頃から始まると言われています。
但し、次に生えてくる歯の位置や顎の位置を決めようとする生理現象なので、
心配いりません。
成長と共に歯ぎしりがなくなってくることがほとんどですので、じっくりと経過を見守るようにしましょう。
歯ぎしりの種類
歯ぎしりには大きく3つの種類があると言われています。
①グライディング型(歯ぎしり)
グライディング型は、上下の歯を「ギリギリ」と擦り合わせる歯ぎしりです。睡眠中の無意識下で起こることが多いです。
②クレンチング型(食いしばり)
上下の歯を「ぎゅっ」と強く噛みしめるタイプです。
クレチングは日中やスポーツのときなど、日常生活の中で習慣化してしまっている方が多いです。
このことをTCH(上下歯列接触癖)と言います。
③タッピング型
上下の歯を「カチカチ」と噛み合わせるタイプです。
比較的頻度は少なく、噛み合う力は大小さまざまです。
歯ぎしりによる悪影響
①歯が削れる、割れる
歯ぎしりの力により、歯が削れたり、欠けたりします。
特に、睡眠時の歯ぎしりは普段の3-4倍の強い力がかかると言われています。
その力により、場合によっては根っこの方までバキっと割れてしまうこともあります。
歯の根っこまで割れてしまうと歯を保存することができず、最悪歯を抜かなければなりません。
②つめ物、かぶせ物が欠ける、
取れる
過度な力が加わることで、歯のつめ物やかぶせ物が欠けたり、取れてしまうことがあります。ご自身の歯ごと欠けたり、折れたりしてしまうとつめ物・かぶせ物からやりかえる形となります。
割れ方によっては、最悪歯を残すことができないこともあります。
③虫歯や歯周病になりやすい
歯ぎしりによってできた小さな穴やクラックと呼ばれる破折線からばい菌が入り込み、虫歯ができやすくなります。
また、歯ぎしりの力により、歯を支えている骨が溶けだし、歯周病を悪化する原因になるとも言われています。
④知覚過敏を引き起こす
歯ぎしりの過度な力により、歯と歯ぐきの境目付近が欠けたり、歯が破折し、象牙質が露出することで知覚過敏を引き起こすことがあります。
⑤顎の関節が痛む
歯に大きな負担がかかると、顎の関節まで圧迫され、顎が痛くなったり、音がしたり、口が開きづらくなったりし、顎関節症の原因にもなります。
⑥肩こり、頭痛がする
歯に大きな負担がかかると、周りの筋肉も緊張します。
お口周りの筋肉は肩や首や頭にもつながっています。
それゆえ、歯ぎしりが肩こりや頭痛の原因にもなると言われています。
歯ぎしりの治療・対処法
①マウスピース
マウスピースを使用することにより、歯に加わる力を分散させることができ、歯やつめ物・かぶせ物が欠けたり割れたりするのを防ぐことができます。
現在、歯ぎしり治療において、最も一般的な治療法となります。
②ボトックス注射
ボトックス注射とは、無毒化したボツリヌス菌を強張った筋肉に注射することで、
一時的に筋肉の緊張をほぐす治療法のことを言います。
顔のシワを取るために美容外科でも使用されることが多く、それを咬筋と呼ばれる嚙みしめる筋肉に応用したものになります。
効果は3-5ヶ月ほどと言われており、保険適応外の治療となります。
③筋肉のマッサージ
歯ぎしりがある方は、顎や頬など口の周りの筋肉がとても緊張しています。
緊張した筋肉の凝りをほぐし、リラックスさせることで、お顔の歪みの改善や小顔の効果もあると言われています。
④ストレスを減らす
歯ぎしりの主な原因はストレスです。
日頃のストレスを減らすことで、歯ぎしりの行動も減らすことができる可能性があります。
運動や規則正しい生活をするなど、ストレスをコントロールすることも大切なんですね。
⑤認知行動療法
日中の食いしばりに関しては、まず無意識に歯を合わせていることを本人が自覚し、その癖をやめるようにすることが大切です。
パソコンやスマホなどに「歯を離す」などの紙を貼り、リマインドして自己認識しやすい環境をつくることが大切です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ほとんどの方がご自身の歯ぎしりを自覚していません。
それだけ自分では気づきづらいものなんですね。
しかし、気づかないうちに大切な歯が大きなダメージを負ってしまうかもしれません。
歯がしみる・顎が痛いなどの症状がある方は一度歯科医院を受診し、
早めの対策をすることが良いでしょう。