小児歯科 麻酔が必要な時
小児歯科で麻酔が必要となるのは、進行した重度な虫歯や乳歯を抜く時が多いです。
虫歯が小さく、軽度な場合は麻酔なく治療することも可能です。
麻酔の方法としては、大人の歯科治療と同じで治療する箇所のみ痛みを感じさせないようにする「局所麻酔」が一般的な方法となり
ます。
痛みに配慮した局所麻酔
注射を刺す瞬間が一番痛みを感じやすいです。針を刺す前に粘膜をヒリヒリさせる表面麻酔を置き、痛みを和らげます。
また、一定の圧で麻酔液を注入することができる電動麻酔器や最細の注射針を使用して、最大限痛みに配慮した麻酔を心がけており
ます。
小児歯科 麻酔後の注意点
局所麻酔の効果はおよそ1-2時間ほどになります。間違って唇を噛んでしまったり、やけどの恐れがありますので、お食事は麻酔の効果が切れてからするようにしてください。
また、必要以上に指や舌で触ってしまうと傷をつけてしまうことがありますので、保護者の方は注意してみていてあげてください。
局所麻酔とアレルギー
局所麻酔の副作用の中で最も重篤なものがアナフィラキシーショックというアレルギー反応です。
麻酔薬の成分にアレルギー反応を起こし、皮膚の紅潮・激しい動悸・呼吸困難など重篤な症状があらわれます。
歯科で使用する局所麻酔によるアナフィラキシーショックの発生頻度(約0.00007%ほど)は極めて低いとされていますが、万一起きてしまった場合に備えて、エピペンと呼ばれるアナフィラキシー補助治療剤を医院に常備しております。
そして、麻酔に関するパッチテスト(皮膚のかぶれなどを見てアレルギーの有無を調べる検査)ですが、歯科医院で行っているところはわずかだと思います。
麻酔以外にも様々な薬剤や材料があり、
何がアレルゲンになるかどうかは実際にわからないため、特定するのは難しいように感じます。
何れにしてもパッチテストを行う際は歯科で使用する薬剤や材料に精通している皮膚科や大学病院などの専門機関でやる方がいいでしょう。
パッチテストを受けた方がいいのかどうかは、患者様それぞれの任意にはなりますが、過去に歯科麻酔でアレルギー反応を起こしたことがある方やご家族の中でそうした既往がある方がいらっしゃる場合は、事前にパッチテストを受けることをお勧めします。
局所麻酔 その他の副作用
アレルギーの他にも局所麻酔で副作用を生じることがあります。
① 迷走神経反射
歯科治療の不安や緊張からくる自律神経の乱れから、気分不快・動悸・冷や汗などが起こる。時間と共に経過は良くなります。
② アドレナリンによる副作用
麻酔薬には麻酔作用を強くするアドレナリンが含まれています。
アドレナリンによる作用により、心拍が上がったり、動悸を起こすことがあります。時間と共に経過は良くなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
麻酔に関するパッチテストは過去に歯科麻酔でアレルギー反応を起こしたことがある方やご家族の中でそうした経験がある方がいらっしゃる場合は、事前に皮膚科や大学病院でパッチテストを受けることをお勧めします。
また、麻酔以外でも薬や食べ物やゴム製品などアレルギーをお持ちの場合は必ず歯科医師・スタッフまでお伝えください。