マイクロスコープ治療

マイクロスコープについて

私たち歯科医師の仕事は、口の中で小さな虫歯を削ったり、ボロボロになった歯を抜いたり、歯茎を切ったり縫ったりなどミリ単位の細かな作業の連続です。そのような部位を見るには肉眼では限界があります。

そこで最近、歯科業界で普及し出しているのがマイクロスコープ（歯科用顕微鏡）です。渋谷宮益坂歯科では、高性能レンズなカメラで有名なカールツアイス社製の先進マイクロスコープを導入しています。

約3倍から30倍の拡大率で見ることができる上、強い光をピンポイントで当てながら見ることができるので、今まであまり見えずに感覚的に行っていたことが確実にできるようになりました。

歯の神経付近の虫歯と健康な歯の境目を見極める際にはマイクロスコープが非常に役立ちます。

歯の神経をできるだけ保存するために、歯の神経に近づいたら慎重に虫歯を削る必要があり、少しでも残せる確率を高めるためには、まずよく見えることが条件になります。

では、拡大倍率別に見てみましょう。上から順に5倍、7.5倍、12.5倍、20倍、31.25倍です。倍率が大きくなるに従い、歯の中の様子がよりわかります。

マイクロスコープ5倍
マイクロスコープ7.5倍
マイクロスコープ12.5倍
マイクロスコープ20倍
マイクロスコープ31.25倍

マイクロスコープによる歯の根の治療（歯の神経の治療）

歯の根の中は非常に複雑な形ですし、肉眼ではほとんど直接見ることができません。
マイクロスコープを使えば全ては見えなくてもかなりの範囲まで見ることができるので、根の治療の成功率を高めることができ大変重宝します。
なかなか症状が治まらず原因が分からなかった症例でも、マイクロスコープを使って原因を見つけることができたり、除去しきれなかった汚れや異物が除去できるようにもなりました。
多くの論文でも、マイクロスコープを用いた治療の方が使わない治療と比較して、予後が良いことを報告されています。
既にアメリカの大学では、根の治療はマイクロスコープを用いて行うことがベーシックになっています。

マイクロスコープによる歯周病治療

歯周病の原因となる歯石の除去は、歯茎よりも上にあるものはわりと簡単に除去できますが、歯茎の中に存在する歯石は肉眼では見えないことが多く除去しきれないことがあります。
これもマイクロスコープを使うことで歯石の取り残しが格段に減ります。
また、外科的に歯茎を切って手術をする際にも、マイクロスコープで見るとより細かい部分を見ることができ術後の治癒の速さが変わります。

マイクロスコープによる外科治療、インプラント治療

かつて外科手術は歯科医師の中でもダイナミックなイメージがありました。
しかし最近では外科手術も細かな手技を用い、傷跡が目立たないようにしたり、組織へのダメージを最小限にすることが要求されます。
その際にも、マイクロスコープを用いることでより良い結果を得ることができます。
また、ハンディカムカメラを搭載しているので、治療しているシーンを撮影して患者さんに見せながら説明することができるのもメリットです。
渋谷宮益坂歯科では、歯科医師だけでなく必要に応じて歯科衛生士もマイクロスコープを用いて、より精密な治療やメンテナンスをするようにしています。

マイクロスコープ治療の費用

顕微鏡治療の設備は高額で特殊な器材が必要な上、所要時間や技術的な難しさから健康保険適応外の治療になることがあります。担当医とよく相談して治療法を選択してください。
肉眼での治療時は歯科医師と患者様の顔同士が非常に近づき不快に思う方もいるかもしれませんが、マイクロスコープを使うとこのような姿勢になるため、良い距離感で治療することができます。